映画「この世界の片隅に」話題になっていたので見ました。

映画「この世界の片隅に」話題になっていたので見ました。
ほんわかした絵柄で癒し系だなあと思って見始ました。最初は主人公のすずがどんくさいというかのんびりマイペースなのに少しイライラもしましたが、本人の意思やペースを無視して縁談が決まり、知らない人の元へ嫁がねばならなくなり、どんどん大人にならざるを得なくなっていくのをかわいそうにも感じました。そういう時代だから仕方ないのでしょうが。現代にいたらきっと芸大などに入って、のほほんと好きな絵を描くフリーターのような人になっていたのかもしれないなあと思いました。
嫁ぎ先では多少いびられつつもそれなりに過ごしてこのまま淡々と日々が過ぎるのかと思いましたが、どんどん戦争がひどくなり可愛い絵柄とかけ離れたストーリーになって行きます。絵がかわいいまま、残酷な現実がどんどんと襲ってくるのでそのギャップがかえって恐ろしかったです。すずの声を当てているのんさんの淡々とした語り口がそれを助長していて、いいキャスティングだなと感じました。
特に義姉の娘を死なせてしまったところは思い出しても胸が痛みます。こういう死がすぐ身近にあるというのが戦争なんだと、強く感じました。
もちろん戦火の中でも小さな楽しみを見つけて工夫し、健気に生きるすずの姿に胸を打たれましたが、それよりも恐ろしさの方が強く心に残りました。戦争というものの恐ろしさを伝えるというのが目的に作られた映画なら、完全に目論見通りだったと感じました。
戦争映画としてではなくても、昔の暮らしぶりを見て感心したり、単に絵柄や背景の美しさに感動したりと、人は選ぶかもしれませんが、芸術性においてもいい映画だなと思いました。

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